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mingle.mangle.omnium.getherum(ミングル・マンデル・アムニアム・ギャザラム)― 高橋直宏 根本祐杜 二人展

展覧会タイトルは「寄せ集め、まぜこぜ」といった意味の単語を繰り返したもの。「寄せ集め」というと、いい意味として使われることは多くない。しかし、全体からいくつかの部分を切り離し、それらをある目的に従ってもとの所から別の所へ移動することだととらえた場合、また違った意味合いに変わる。

高橋直宏は、木をおもな素材に、部位の組み換えが可能な人体像や、既製品によって再構成された人体像など、「切断」を強調した作品を制作している。近年では、神話や物語に登場する怪物たちの改造された身体をモチーフに、人間が他者に対して持つ欲望や眼差しの変遷を彫刻しようと試みている。

根本祐杜は、粘土を中心に多彩な制作を行う。排出される糞便や掘り起こした自宅の庭の土。自身が慣れ親しんだキャラクター。会えなくなった忘れがたい職場の同僚。多くの人からすれば無用なもの、日常に溢れ記憶から消えてなくなってしまう事物を再解釈し、独自の造形によって再び蘇らせる。

両作家に共通するのは、切り離す行為や切り離されたものに焦点をあて、そして異なるものとして再び接近させているということだ。技術や経済の発展、政治判断や戦争の発生によって「切断」のカタルシスと「移動」における摩擦や拒絶反応は、より露悪的かつ破滅的なものとして現れる。本展は、もはや自明の営みである「切断」と「移動」を、ありふれた事物が変貌する様としての「寄せ集め」に魔術的な諸力を見出し、注意深く見つめることを目的としている。

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