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掠めてゆく

Moon Gallery & Studio

東京都台東区北上野2丁目3-13 上野ダイカンプラザ1F

Time

2023.09.27~10.08

Project Type

Two-person Exhibition

Artists

洪 張良(こう ちょうりょう)
2016年英国FARRINGTONS SCHOOL高校卒業後、景徳鎮にて自主制作、2023年同志社大学美学科卒業。洪張良は陶芸を中心に芸術活動をしている。物質を回想の対象とすることで、創造と内面性の関係を探ろうとしている。

卓 海寧(たく かいねい)
1998年中国の江蘇省生まれ。2020年に中央戯劇学院を卒業し、現在は東京藝術大学先端芸術表現科修士課程在籍。現在、写真を主なメディアとして、物質と非物質の間にある 写真の特性から出発し、個人の知覚と記憶を中心として、写真と異なる物質を組み合わせ た制作と展示の可能性を探究する。
最近「WIP展 2023」;「ATLAS 2022」;2022「假杂志/假展览」;2022 T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO;2022「INTRODUCTION EXHIBITION 2021」に出展した。近作は2022 IMA next 「Photography and Painting」 short list;2022 「TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD final list」に選出された。

Curator

郝 洋(かくよう)
芸術展覧会の読者、中古作品のリサイクラー。現在、展示装置(exhibition installation)という概念を軸に読書、研究、創作活動を行っている。

唐 貫虹(とうかんこう)
現代美術家、キュレーター。サイト・スペシフィックに基づく空間、存在性、関係性、完成性などをテーマとして、絵画、インスタレーション、映像、パフォマンス、パブリックアートなど、多岐にわたり活動。
最近は生きて行くことに伴う変化= 時間の経過、記憶の再考や詩化に潜む成り行きに任せる世界における流動する不確定性、未完成性や液体状の関係性を個体と社会の相互作用の現像化として制作活動をする。

Moon Gallery&Studioは9月27日(水)より、洪張良&卓海宁の二人展「掠めてゆく」を開催します。展覧会では、二人のアーティストの作品制作とプロセスに目を向け、その産物としての作品をお互いに溶け合っていく場面に置き換えようとします。
洪張良&卓海宁は、それぞれ陶芸と写真というメディアを用い、各自の経験と物質によっての向かい合いを鑑賞者に提示します。さらに制作行為を通して、そのプロセスに従い、意識をなぞることと共にイメージの再構築を求めています。
タイトルの「掠めてゆく」はマリアンヌ・ムーアの詩「魚」「( たちは切り/抜けてゆく 黒い菊翠の中を」) からインスピレーションを受けました。ムーアはこの詩の中に、視覚的なパズル、揺れた場面、不穏な生命システムなど、幾つの要素を入れました。その中では、主体が逸脱し、空気が揺れ動き、紛れる物質の断片が読者を想像の世界へ導きます。「掠めてゆく」は、現代社会における二人の生き様を表現したものであり、制作に出会うそれぞれのメディアの特性に対する自覚を反映したものでもあります。展示空間では、作品に洗練されたイメージを三次元の塊へと変容させます。視覚と聴覚、身体における感覚、空間と場などの側面から、鑑賞者の反応を引き起こすことを望んでいます。

風景との交じり合い
洪張良は、言葉とイメージを通して、技法から陶芸そのものを脱構築しながら、人と物質の間のに潜む精神的なシンパシーを探る。「大地の息吹」と「無に回帰する」2つの作品は、互いに独立していると同時に響き合うことで、形式、コンセプト、表現の間を行き来する彼の思考過程を記録している。 この自我に依存する行ったり来たりする様子は、この何年間、彼にとっては自己反省する潜在対象である。結局、作品は大地から剥ぎ取られ、そして彼の目線と手作業によって戻ってくるだろう。
写真シリーズ「鈍痛」では、卓海寧は生きる間にひらめく一つ一つの瞬間から現れる身体的感覚に焦点を当てている。 物質をから視覚へ、ミクロ世界に依存するカビからマクロの生命システムを構築する野望は、彼女の写真に属する独特な詩情である。 脆い図像、生と死の間に浮遊するメディア、そして命を貫く時間との葛藤が重なり合い、相互作用し、鑑賞者を未知の旅へ誘なう。

解釈の浮揚について
洪張良が外の世界で一瞬垣間見るインスピレーションについて熟考する一方で、卓海寧は別の道を辿り、イメージと言葉に潜在するテンションを探る。 作品と作品の間、制作からインスタレーションへ、そしてインスタレーションから場に繋がっていくことが、言葉だけでは収められないと気づいた。だからこそ、展覧会は単一的な視点からの解釈をさておき=浮揚することにし、作品解説は往復書簡という形で構築し、鑑賞者が作品に浮遊するいのちに貫通する時間概念および空間感覚を感じてもらいたい。

没入を再考すること
「何の機能とも関係のないもの、過去のない人工的な世界。私はこの前例のない景色に惹かれました。」 1966年、積荷、タワー、煤煙で構成された荒涼とした風景がトニー・スミスの視野に侵入した。それで、展示空間に潜む礼拝的な価値の終焉を告げた。これは、芸術作品を見られる客体から展開された場に無理矢理に引っ張られた、作品の展示について不条理な関係性を再構築した。 この展覧会は、非物語的なインスタレーションを通じて、この関係性に隠れている複雑性を模索してしてみた。

人生経験の洗練であろうか、精錬であろうと、2人のアーティストの作品ただの没入感を拒否するに違いない。 本展覧会はこれを前提として、感知の欠片を収集することで、意味性を引き出してみたい。五感を刺激しながらインスタレーションを構築し、さらに場に存在する記憶の断片を集めることで、従来の美学システムを再考する。

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